長らく米国株をけん引してきたGAFAMTのパフォーマンスに変調が見られます。実際にトータルリターンのチャートで確認してみましょう。

まずはGAFAとS&P500指数連動ETFのVOOとの比較です。GAFAの中ではパフォーマンスが劣後しがちだったメタ(旧フェイスブック)がかなり大きく下げています。広告収入が軟調になったことに加え、新たな柱と位置付けるメタバースへの投資負担が大きく利益を圧迫しているのが原因とみられています。
また、アマゾンも今回の決算で大きく下げています。売上高の成長鈍化に加え、米EVリビアンへの投資が営業外費用として計上されたインパクトも大きいです。
アマゾンに限りませんが、2022年現在、米国企業が他社に投資した場合、その評価損益を毎回の決算に反映することになっています。
前回のアマゾンの決算ではリビアンへの投資がプラスになっていたので決算への影響もプラスでしたが、今回はその高い基準から下がっていたので、その差額がマイナス計上されたことになります。
アマゾンとリビアンの関係には何ら変化が無いにしても、毎回の決算で親会社が子会社の株価に振り回される現在のルール、ちょっと不思議な気もしますがルールなんで仕方ないですね。
2021年に調子のよかったグーグルの親会社アルファベットも決算をミスして下落。
そう考えるとS&P500指数を唯一凌駕したアップルの凄さが際立ちます。半導体不足の影響なども心配されていましたが、結局なんだかんだ言って乗り切ってしまっています。テスラなどもそうでしたがブランド力があると部品調達にも資金をしっかりと充てられるのでこういう時には強いですね。
続いてマイクロソフトとテスラのチャートです。

マイクロソフトは決して悪い決算ではなかったようですが大きく予想を上回ることもできず株価は軟調です。
テスラは本業は順調なものの、イーロン・マスクCEOのツイッター社買収に関する資金調達でテスラ株が売られる可能性が懸念され、株価は大きく下落しています。テスラはいつでもボラティリティが高いのが特徴ですが、今回ももれなくその傾向を示しています。
GAFAMTはその規模が大きいだけに指数に対するインパクトも気になるところです。決算は一度ミスすると続きがちとも言われているので、この傾向が今後も続いていくのか引き続き注目していきます!

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