始まったらどうにもできない…マルチプル・コントラクションとは

投資関連

投資の言葉に「マルチプル・コントラクション」というものがあります。これが始まってしまうと株価が大幅に下落してしまいます。ではマルチプル・コントラクションとはどんなものなのでしょうか。

マルチプル・コントラクションとは

マルチプル・コントラクション(multiple contraction)とはmultiple(倍率)のcontraction(収縮)です。ここでの倍率とはPER(株価収益率)を指します。つまりPERが小さくなることがマルチプル・コントラクションです(反対にPERが大きくなることはマルチプル・エクスパンジョン)。ではなぜそれが株価の下落につながるのか。

PERとは

PERをざっくり説明すると「今の株価がEPS(一株当たり利益)の何倍に相当するか」を示しています。EPS100円の株が1,000円で取引されていたらPERは10倍といった感じです。

そこから

株価=EPS(一株当たり利益)×PER

と導き出すことができます。つまり、株価はEPSがどのくらい稼げているか、またはPERが何倍に評価されるかの2つの指標から決まるとも言えます。

PERの高低が表すもの

ではPERは何で決まるのでしょうか。それは色々な要素がありますが、極言すると「今後成長が期待できるならPERは高く、今後衰退する可能性が高くなるならPERは低く」なります。かなりあいまいな表現になっていますが、それは「未来に対する予想」が多分に含まれており、そこにPERが揺らぐ余地があります。

つまり「これからもガンガン成長しそうだぜ!」と評価されていた高PERの株が「…え、ちょっと待って、この後…ヤバない?」と評価が変わる時にマルチプル・コントラクションが起きることになります。

マルチプル・コントラクションが起きるタイミング

ではどんな時にそのマルチプル・コントラクションが起きやすいのか。1つは利上げのタイミングです。なぜそのタイミングで起きるかは目標株価の算出方法を考えてみると分かりやすいです。

目標株価の算出方法としてDCF(Discount Cash Flow)モデルというものがあります。これはある投資商品から今後得られるキャッシュフローを足し合わせてある商品の今の価値を割り出す方法です。その際にただ足し合わせるのではなく、将来のキャッシュフローには割引率をかけて「現在価値」を計算します。

割引率をかける理由は現在の100円と1年後の100円の価値は異なるという発想からきています。今の100円は年率3%で運用できれば一年後は103円の価値を持つものになります。その反対の発想をして1年後の100円は「年率3%で運用した後に100円になるもの(=97.087…円)」の現在価値があることになります。

今回は3%という利率を適当につけてしまいましたが、その割引率はどのように決まるのでしょうか。

それは様々なリスクに加え、国債の金利も大きな判断材料の一つになっています。以上のことから利上げの局面でマルチプル・コントラクションが起きやすくなると言うことができます。

マルチプル・コントラクションが起きやすい銘柄

ではどういった株が特にマルチプル・コントラクションの影響を受けやすいでしょうか。それは将来の成長を期待される銘柄、つまり高PERの銘柄ということになります。グロース株と言われる株には特に逆風になることになります。

マルチプル・コントラクションは「期待がしぼむ」ことと言いかえることができるかもしれません。それが一度起きてしまうともう一度「期待が膨らむ」ようになるまでは株価に対して逆風が吹き続けます。

PERについて思うこと、個人的な目安などはこちらにまとめましたのでぜひ!

PERを見るときのポイント:似ている指標PBRと合わせて紹介

危機時のPERの意外な動きに注目

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