いよいよFRBのテーパリングが秒読み(?)段階に入ってきたかと思います。テーパリング発表後の買い出動に備えて各国の今年のパフォーマンスを見ておきます。使っている指数はMSCIの各国インデックスをトラックするETFです。

まずはヨーロッパ部門。米国が年初来で18%上昇し堅調ですが、それをさらに超えてくるのがロシア。超意外な結果ですが、前年に原油価格の下落の影響をモロに受けた影響を考えると納得な一面も。ロシアは投資する時期を間違わなければ高パフォーマンスなのかもしれません。
そしてこのグループの中で突出して低いトルコ。国としてヨーロッパとアジアが出会う場所で文化的にも魅力的なところですが、株価は厳しいですね…2013年頃は日本と共にオリンピックの開催地候補になっていたと思いますが、その後政治が独裁化してしまいかなり印象が変わってしまいました。そのあたりの変化がみられるときは面白いかもしれません。

続いて東アジアグループ。中国の下落が引き続き大きいです。こちらはIT企業にブレーキとなることが多く発表されました。
米国のGAFAMに対抗して中国のBAT、Baidu(百度、バイドゥ)、Alibaba(阿里巴巴集団、アリババ)、Tencent(騰訊、テンセント)や、最近はTMD、北京字節跳動科技(バイトダンス)、美団点評、DiDi(滴滴出行、ディディ)などがプラットフォーマーとして伸びてきましたが、規制が相次いで導入されブレーキとなっています。
政治的な要素は本当に読めない印象を中国に改めて持つ出来事でした。
この中でパフォーマンスが良い台湾ですが、そのけん引役と言えばTSMCですね。今後も大型投資を行う予定で先端品に関しては他の半導体製造会社の追従を許さないようになってきています。反面、半導体の需要がどこまで続くか読みづらくなってきているのでその辺がブレーキにならないかが気になるところです。

東南アジアグループは全体的に6月以降のパフォーマンスがよろしくありません。コロナのデルタ株が猛威を振るい、インドネシアでは1日で5万人が感染するなどかなり厳しい状況になっているようです。
ベトナムの例ですがその中でも先進国の需要に応えようと社員を工場に寝泊まりさせ「隔離状態」を確保して操業を続けた企業もあるようですが、さすがに限界も来ているようです。
トヨタ減産、震源地の東南アジアの部品メーカー「もう限界かも」
こういう話を聞くとまだまだ感染を抑え込めている日本で「ワクチン、何となく怖いよね」なんて言っていていいのか、仮にも世界で3番目の経済大国、もっと世界のためにできることはないものか…そんな気持ちにさせられます。

最後のグループは中南米アフリカです。年初からアメリカをアウトパフォームしてきた南アフリカはやはり6月ごろから失速しています。反対にコロナがかなり広がっていたブラジルは5月末から調子を上げてきましたが、やはりこの頃は失速気味。
メキシコは米中の貿易摩擦で恩恵を受ける地域かもしれません。それを見越してかパフォーマンスも良くなってきているようです。
さて、ここからさらにどう動くのか、今年の後半も目が離せなくなりそうです。
2019年からのパフォーマンスについてはこちら。
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