米国株投資に組み合わせる面白い国・地域は無いかと言うことで、MSCI○○インデックス(○○は国名)に連動するETFとS&P500指数に連動するVOOを比べてみています。
今回は主に東アジア各国にシンガポールを加えたグループを作成しました。日本株にも投資するわらびーとしてはMSCI日本も気になるところでしたが、東南アジア勢も数が多く、シンガポールに押し出される形で日本は今回不採用です…(日本株投資は専ら個別株で指数投資に個人的な興味が薄いのも理由の1つですが)
さて、個人的には作ったグループの中で一番興味深いところが、これ。なぜならまず覇権争いでがっぷり四つの米中の比較が入っているから。そしてその影響を大きく受けそうな台湾が入っているのも興味深いところです。
ではまずは2021年の上半期の状況から見ていきます。

やっぱり台湾が強かったか、という印象のチャートです。米国も抑えて上昇率トップです。コロナ対策で優秀とされてきた台湾でしたが、2021年に入って5月頃は感染が広がる時期もありました。その時には大きく下がっていますね。それでもその後持ち直しています。
パフォーマンスで一番出遅れているのは中国です。コロナ対策ではむしろうまく封じ込めたアピールをしていた中国でしたが、やはり覇権争いや香港での一連の動き、またアリババ・バイトダンス(Tik Tok)・DiDiへの中国共産党の締め付けによる影響は大きいということでしょうか。
韓国は年初こそ強かったですが、その後はいまひとつ奮わず。シンガポールは概ね米国と同じような動きになっています。
では2020年はどうでしょうか。

2020年も台湾は強かったですね。コロナ対策がしっかりしていたのは一因だと思います。
そしてそれを上回ったのが韓国。2020年のロシアと同様、韓国でも株式投資に乗り出す個人が増え、その人たちによって買われたようです。また、韓国では現在不動産投資が抑制されており、投資目的のマネーが株式に流れ込んだことも一因です。ファンダメンタルズ的には買われ過ぎを指摘する人もいたようですが、こうなると「買うから上がる、上がるから買う」の連鎖でファンダは重視されなくなるのは世の中どこも同じですね。笑
大きくパフォーマンスで遅れていたのはシンガポールです。
シンガポールはロックダウンが行われ、貿易が停滞、GDPは大きくマイナス成長しました。シンガポールのコロナ感染では、低熟練の外国人労働者が住むドミトリーでのクラスターが大きく報じられていました。危機的状況においては貧富の差にかかわらず救済がされる事が、その後の回復を早めるのかもしれませんね。そんなこともあり、これらの国の中では唯一の株式下落の年となりました。
中国の特徴はコロナ暴落時の暴落幅の少なさでしょうか。コロナの広がりが一番早かった中国でしたが、その後はトップダウンの徹底した対策でコロナを封じ込めました。それもあり、コロナ暴落時にはある程度落ち着きを取り戻していた可能性があります。
コロナ前の2019年はどうでしょうか。

2019年も台湾の強さが光ります。2019年間からの2年半ほどは台湾への投資もかなりリターンがあったようです。これだけ魅力的だと長期的な投資も考えたくなりますね!
覇権争いをしている中国は決して株価パフォーマンスでは突出しているわけではありませんでした。一党独裁のトップダウン采配に時々投資家として不安を覚えます。
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今後も世界を引っ張っていく国の一つとしてもう少し寛容な雰囲気になると良いとは思いますが…
さらに長期での比較はこちらにまとめました。中台以外にも日本やハイベータのロシアと比べています。
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