株などの識別に使われるティッカーシンボルですが、個人的に面白いと思うものをまとめてみます。
ティッカーシンボルとは
ティッカーシンボルとは株式や商品など証券取引所で取引されるものに与えられる識別記号です。米国株のティッカーシンボルが有名ですが、それ以外の国でも使われています。米国の場合、現在では基本的に1~4文字のアルファベットとなっています。4文字の会社が複数種類の株式を上場している場合、5文字になることもあります(例えばグーグルのGOOGとGOOGLなど)。
ちなみに日本は4桁の番号(コード)です。
面白いティッカーシンボル集
1文字のティッカーシンボル
米国株のティッカーシンボルは、一番短いもので1文字の企業があります。アルファベットは26文字なので、3000社以上ある米国上場企業の中でも1文字のシンボルを持てるのはたったの26社…なんとレア、なんと選ばれし者たち…これはまとめないわけにはいきません!というわけでまずは選ばれし26社をご紹介です!
企業名 | 企業名 | 企業名 | 企業名 | ||||
A | Agilent Technologies Inc. | B | Barnes Group Inc. | C | Citigroup Inc. | D | Dominion Energy, Inc |
E | Eni S.p.A. | F | Ford Motor Company | G | Genpact Limited | H | Hyatt Hotels Corporation |
I | J | Jacobs Engineering Group Inc. | K | Kellogg Company | L | Loews Corporation | |
M | Macy’s, Inc | N | O | Realty Income Corporation | P | ||
Q | 無し | R | Ryder System, Inc. | S | T | AT&T, Inc. | |
U | Unity Software Inc. | V | Visa Inc. | W | Wayfair Inc. | X | United States Steel Corp. |
Y | Alleghany Corporation | Z | Zillow Group, Inc |
ティッカーシンボルが1文字の企業は上記の通りです。意外だったのが、該当企業がないアルファベットがあること!つまりこれから上場する企業も1文字ティッカーシンボルを得るチャンスがあるということです。実際にUは2020年6月に上場したばかりのUnity Software Inc.が得ています。
Jが空いているなんて、日本企業のどこかが名乗りを上げてくれないかと夢見てしまいますね…Zも意外に人気ないんですね…最後は縁起が悪いのか…?それこそZoom(ズーム)なんか良いと思ったんですが…(ちなみにズームのティッカーはZM)
参照したデータが古かったようで、JもZも埋まっていますね…逆にI, N, P, Sは参照したデータの時点では企業がありましたが2020年10月時点では空欄に変わっていました。例えばNのNetSuite Inc.はオラクルが、PのPandora Media, Inc.はサブスクリプション型ラジオサービス最大手「SiriusXM」が買収した結果上場廃止になっています。SのSprint Nextel Corpはソフトバンクグループが買収したことでも有名になりました。その後T-Mobile USと合併することで上場廃止となりました。新陳代謝が機能している米国株ならではのダイナミックな動き…
他の企業を見ていくと有名どころが多いのは確かですね。自動車製造会社のフォード(F)、コーンフレークで有名なケロッグ(K)、クレジットカード会社のビザ(V)、銀行のシティ(C)もありますね。
反対になぜお前がそのアルファべット?と疑問を持ってしまう所も…Oのリアルティ・インカムやXのユナイテッド・ステイツ・スチール、Yのアレゲニー・コーポレーションは謎ですね…
連想ゲーム寄りなティッカーシンボル
企業名よりもその企業から連想される何かをティッカーシンボルにしている企業もあります。その代表例がビジネスチャットツールのSlack Technologies(スラック・テクノロジーズ)かなと思います。ティッカーシンボルはWORKです。仕事のためのツールという強い想いがティッカーシンボルにも表れていますね!
また、SalesForce.com(セールスフォース・ドットコム)も事業から連想されたティッカーになっています。それはCRM。CRMは本来Customer Relationship Management(顧客関係管理)のことで顧客との関係性を構築・管理するマネージメント方法です。SalesForceが事業を始めた頃すでにCRMを提供する企業は他にありました。しかし既存のCRM業界に真っ向から対立し、CRMを定義しなおした同社は自分こそが真のCRMを提供している会社だと言わんばかりにティッカーをCRMにしたそうです。CEOのマーク・ベニオフ、なかなかすごい人です。
ティッカーシンボルが似すぎ!
ティッカーシンボルをつけるときの傾向として企業名の母音を飛ばしてつけるパターンもよくあります。(Micro SoftのMSFT、AbbVieのABBVなど)
それをした結果、あまりにもティッカーシンボルが似てしまった企業がAmgen(AMGN)とAmazon(AMZN)です。GAFAの一角を買おうとしたらバイオテクノロジー企業を買ってしまったなんてことになったら大変です!お気をつけて。
それ以外ではやはり最近話題にもなったZoom Video Communications(ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ)のZMでしょうか。上場当時、その裏でひそかにZoom Technologies(ズーム・テクノロジーズ)株が暴騰していました。そのティッカーシンボルはZOOM。下の記事によると時価総額は7万倍になったそうです。もはや間違ったとしても許されるレベルの暴騰。笑
その後ZOOMは間違いやすいだろうということでズーム・テクノロジーズのティッカーはZTNOに変更となりました。
ちなみに日本株にもズーム(6694)があります。ZMが注目されると…言わずもがなですね。笑

ティッカーシンボルが意外
意外なティッカーシンボルも結構あります。Apple(アップル)はAAPL。実はPではなくAが二つ。これを見て「スペルミス?」とか「PPAP()の影響?」とか斜め上の憶測を聞いたことがあります。笑 でもアップルペンシルを出すときはアッポーペンのせいでやりにくかったのかなぁ…笑
Alibaba Group Holdings(アリババ)はアリではなくババをとってBABAです。
Johnson & Jonson(ジョンソン・エンド・ジョンソン)は&を生かしてJNJ、だけどP&G(プロクター・アンド・ギャンブル)は&を黙殺してPG。
Coca Cola(コカ・コーラ)はあんなにCがいっぱいの社名なのに、ティッカーシンボルはKO。これもスペルミスとか言われますよ。笑
McDonald’s(マクドナルド)は日本だと関東中心に「マック」と呼ぶ派閥と関西中心に「マクド」と呼ぶ派閥がありますが、ティッカーシンボルはMCD。関西圏に軍配が上がりました…関西の人はみんなティッカーシンボルからマクドって言ってるわけ?金融リテラシー高い人が多いんですか…?
ティッカーシンボルが直球ど真ん中
あまり仲間を見つけてあげられていないのですが、3M(スリーエム)はティッカーシンボルもMMMです。Mが3つで3M。
ティッカーシンボルが英単語
企業の名前の一部をティッカーにした結果、ティッカーが英単語になっている企業もあります。
Costco(COST)、Yum! Brands(YUM)、Snowflake(SNOW)、Snap(SNAP)などがあります。またPalmOne(PLMO)がPalmに社名変更したときには、合わせてティッカーもPALMにしてしまいました。
金鉱株のBarrick GoldもティッカーはGOLD。金関連なら自分やー!という意気込みが感じられます。こちらは「金に投資するな」と言ったバフェットが買ったことでも注目されましたね。
もちろん普通のティッカーシンボルもあります
変わったのばかり挙げているとそんなのばっかりと思われてしまうかもしれませんので、普通のも紹介するとDOW、DELL、EBAY、FOXなんかは企業がすぐ思い浮かびますね。あと頭文字系だとFB、GS社員で話題になったあのGS、それからGM、GE、IBMあたりでしょうか。IBMはそもそもIBMがInternational Business Machinesだと知られているか心配ですが…笑
それ以外にも見つけたらまた更新していこうと思います。
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