CPU業界に変化の兆し…インテル株下落、AMD ・TSMC株高騰の背景にCPU覇権争い

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あの「インテル入ってる」で有名なハイテク企業インテル下落が止まりません。7/23に60ドルあった株価が1日で16%下落、その後も低調です。

パソコンに詳しくない人でも聞いたことはありそうなこの企業が苦境に陥った背景には、CPU製造を巡る長い長い闘いの歴史があるようです。

CPUの覇者、インテルの凄さとは

インテルの売りだったのはCPUを開発から製造まですべて自前でやる能力。はじめの頃こそ生産量が少なかったためセカンドソース契約(同じ仕様の製品を他社にも作ってもらうこと)を他社と結び数をそろえていましたが、業績が上がりその必要がなくなるとインテル一強の状態となります。独自に開発を行えたAMD(アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)などを除き、多くのセカンドソース企業が撤退を余儀なくされました。

スマホでは出遅れ

PC向け・データセンター向けのCPUでは無敵状態だったインテルですが携帯電話向けでは出遅れます。代わりにクアルコムが台頭。クアルコムはCPUの設計をするファブレス企業で、製造はTSMC(台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング)など半導体ファウンドリーに任せている。アップルも2008年からアプリケーションプロセッサーを自社設計すべく半導体メーカーを買収している。クアルコムとは後にモデムチップでもバチバチに。

インテルはアップルiPhone向けにモデムチップを供給していたが、スマホ向けのモデム事業の大半をアップルに売却する。インテルもかなりの投資をしていたようだがインテル曰く「クアルコムの障壁のせいで」撤退することに。その売却先のアップルもTSMCと取引あり。

そんなこんなでインテルはPC・データセンター向けのCPUが主軸に。

AMDの逆襲

その主軸の一つPC向けCPUでAMDがRyzenを引っ提げて逆襲。AMDが作るCPUはもともと低コストで有名であったが、ついに性能面でもインテルのCPUと遜色のないレベルに。これが効いて単体CPUの販売数量シェアではAMDが7割近くを占めるように。ちなみにAMDも製造はTSMCに外注している。

今後のインテルは

CPUの設計から製造まで手掛けることで競争力を保ってきたインテルだったが、ここにきて7nmプロセスで製造するCPUに遅れが出ていることを認めた。TSMCがクアルコムやAMD、エヌビディアなど複数の企業から製造を受注し技術を磨いていく中、すべて自前で行うインテルのモデルが仇に。今後はインテルも製造を自前のプロセスに限定しないと表明。強みを失ったインテルの株価は暴落し、新たな受注先を得られる可能性のあるTSMCやシェア争いで優勢なAMDが注目される。

米中摩擦で今後はどうなるか

世界最大手のファウンドリーであるTSMCを巡っては米国が国内に工場を建設する支援をする代わりに中国への輸出を規制するなどすでに動き出している模様。また、米国内で半導体を製造する能力が保たれなければ軍事技術に直結するだけに安全保障面でもリスクになる。そのような理由からインテルにも技術面の挽回のための補助金がついたようだ。

インテルは短期的には生産委託をしながら技術を磨きなおすのか、そのままTSMCが製造を一手に引き受けていくのか、半導体を巡る争いは国家間の摩擦も加わり目まぐるしく展開していくことになりそうです。

国防にも関わる技術を自国の技術で完結させられない事態を米国が放っておくのかという点が個人的には気になるところ。今後に注目です。

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