ウイスキーの分け方は産地以外にもどのような原材料・原酒を入れているかでも分けられます。今回は原酒の使い方をベースにウイスキーの分類をしてみます。
モルトウイスキーとグレーンウイスキー
ウイスキーは原材料によってモルトウイスキーとグレーンウイスキーに分けられます。
モルトウイスキーとは
モルトウイスキーはモルト(大麦)を原材料にしています。また、単式蒸留をすることで風味豊かな(悪く言えば癖の強い)ウイスキーになります。

蒸留器の形でも味わいに違いが出てくるようですが、その辺りは割愛。カナダのウイスキーではフレーバードウイスキーと言います。
グレーンウイスキーとは
グレーンウイスキーはトウモロコシや小麦などの穀物を連続式蒸留機で蒸留することで得られるウイスキーです。効率よく大量にクリアな味わいの原酒を作ることができます。カナダのウイスキーではベースウイスキーと呼ばれています。
ブレンデッドウイスキーとは
ブレンデッドモルトとは上記のモルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドし、万人に飲みやすくしたウイスキーです。
ブレンダーの力量が大いに試されるため、ブレンダーの名前を冠したブランド名が多いです。
世界では3秒に1本が売れている「ジョニーウォーカー」や、「シーバスリーガル」などが代表的なブレンデッドウイスキーです。日本だと「響」がブレンデッドウイスキーです。
シングルモルトとは
1つの蒸留所から生産されたモルトウイスキーのみを使ったウイスキーがシングルモルトウイスキーです。
モルトウイスキーは風味豊かで癖の強いウイスキーになりますので、それだけで作ったウイスキーは必然的に個性的な味わいになります。
世界で初めてシングルモルトを商品化したのはグレンフィディック。そのまま世界で一番飲まれているシングルモルトウイスキーにもなっていました。2015年からはザ・グレンリベットが1位を奪いました。
その他有名どころと言えばボウモア・ラフロイグ・アードベッグなどでしょうか。「シングルモルトのロールスロイス」と呼ばれるザ・マッカランもありますね。
日本だとサントリーの山崎や白州、ニッカの余市や宮城峡がシングルモルトです。
シングルモルトと言えど味の均質化をしなければならないため、ブレンダーはその蒸留所の味を守るために日々ブレンドに取り組みます。
ちょっとマニアックな「ヴァッテッドモルト」
ちょっとマニアックな括りに「ヴァッテッドモルト」があります。これは複数の蒸留所で作られたモルトウイスキーを混ぜたウイスキーです。
個性的なウイスキー同士をぶつけ合うことで思わぬハーモニーを生み出すことができます。
有名どころは「ジョニーウォーカー グリーンラベル」でしょうか。
味は熟成次第の「シングルカスク」
一切ブレンドをしないウイスキーは「シングルカスク」と言われます。意味は「一つの樽から」ということになります。
同じように樽に詰めて熟成するにしても、樽の性質や保管状況によって味にばらつきがあります。本来ならそれを混ぜ合わせて味を均質化するのですが(これがシングルモルト)、その工程を一切すっ飛ばして樽ごとの味を楽しめるのがシングルカスクです。もちろん味のばらつきはありますが、それも含めて楽しむウイスキーです。
さらにアルコール度数の調整もしないものを「カスクストレングス」と言います。
新興勢力「シングルグレーンウイスキー」
本来モルトウイスキーを陰で支える役割だったグレーンウイスキーが主役になったウイスキーです。人間の飽くなき探求心が感じられるニューフェイスです。
まとめ
個性の強いモルトウイスキーと癖のないグレーンウイスキー、その組み合わせで様々なウイスキーがつ作り出されています。それぞれの代表的な銘柄を試してみてお気に入りの一本を探してみるのもウイスキーを楽しむ方法だと思います。
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