『年収300万~700万 普通の人が老後まで安心して暮らすためのお金の話』レビュー

書籍・図書

不安を煽られずに読むことができる良書

老後の資産の話となるとどうしても「年金は少ないからしっかり節約しなければ」「保険に入らなければ」「資産運用しなければ」と不安な話が多くなりがちです。しかし、本書はそう言った過度な不安を呼び起こすような図書ではなかったので普段は目をつぶりがちな老後の資産について考えてみようと思った方にはとてもいい一冊だと思います。

老後の生活と今の生活の幸福度バランスが良い

まずこの本の良さとして挙げたいことは今の生活を犠牲にしてまで老後に備える話ではないということです。若くて元気な時期の大切さにも触れ、その時に幸せな生活をすることでも老後の幸福度を挙げられるという考えのようです。また、老後に資金不足になりそうな場合は支出を管理することで対応することを提案します。

このような本を探す時点で老後の備えをしっかりと考えている人だと思うので、節約しすぎることをむしろ心配してくれているような感じがしました。

わらびーもどちらかというと今を犠牲にしてお金を使わない生活をしがちなので、もう少し人生を楽しめるような生き方をしていこうと思いました。笑

「○○円貯めよう」が出てこない

この本の良いところは老後までに「○○円貯めましょう」的なことが出てこない点です。老後の資産はいくら必要かという点についてはその人の生活水準や年金の納付状況、家族形態などで大きく変わるとし、本当に必要な額は人それぞれ違う点を強調しています。具体的にいくらと言ってもらえないのは曖昧で納得がいかない!という人もいるかもしれませんが、逆に他人と比べても仕方ないことでもあるのだと納得させられました。

また、仮に十分と思う金額を貯められたとしてもインフレの状況によってはその金額が意味をなさない場合があります。

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読めば読むほど完璧に老後に備えることは実際には不可能なのではないかと思われますが、考えてみると老後に限らず何かに完璧に備えるということ自体ナンセンスなのかもしれません。

災害に備えるにしても1回に備蓄を置いておけば大雨で水没するリスクがありますし、2階に置けば火事で燃えたり地震で建物が崩壊して行方不明になってしまう可能性もあります。

答えのない世界では絶対は無いわけですが、老後の資産もそういうものなのかなのこの本を読んで思わされました。そう考えると肩の力が抜けて、できる範囲で努力をしてあとは成り行きに身を任せようと思えるようになりました。

保険に入る前には

国民皆保険にも触れており、仮に保険に入るとしても現時点でどの程度の補償が受けられるのかをしっかりと知ったうえで入れるよう、具体的に書かれています。人によってはそれでかなりの安心を得られるかもしれません。

考えてみると保険はかなり支出の大きな項目になります。そういうところへの資金をうまく調整してその分老後に回すなど色々なアイディアがもらえます。

持ち家vs賃貸論争にも一言

資産運用の話に合わせてよく出てくる住まいは持ち家と賃貸とどちらがお得か問題、この本でも触れられています。笑 ただ、大前提として家が欲しいかどうかを考えることが提案されます。全体を通して「みんながそうしているから」と思考停止をしないように、というメッセージがあるように感じます。

ただ、どちらかというと筆者は賃貸派なのかな、とも思いました。

ストレスフリーに生きていく術が分かる!?

この本を読むと悩んでも仕方のないことは割り切って、その時々にとれる手段を最大限生かしていこうと思えるようになります。とにかく老後が漠然と不安、なんて人はまずこの本を読んでみてどういうことに意識を向けてどういうことは悩んでも仕方ないと割り切るかを知るだけでも気持ちが楽になりそうです。自分が人生で何を大切にし、どこは力を入れないか、考えるキッカケになるかもしれません。

難しい保険の話などはなくサクサクと読めると思いますし、年収300万~700万の人が対象と多くの人が当てはまるように書き方が工夫されています。そういった意味でもぜひ多くの人に読んでもらいたい本です。

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