インヴィンシブル投資法人が分配金利回りを98.4%減の30円としました。分配金利回りは0.27%(2020/5/15現在)…高配当と謳われるREITの中でもリスクが高いとされるホテル系リートでこの利回りは許されないでしょう…状況が状況なのでだれも責められる訳ではないですが。
主要テナントのマイステイズ・ホテルの稼働率が7-8割から2割台に急落し、ケイマン諸島のホテル2軒は閉鎖、シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテルもディズニーリゾート閉鎖のあおりを受けてとなると、対策のしようがない状況なのかもしれません。とにかく今は生き残りに全力を注ぎ、時期以降に稼げる体制を構築していくのが現実的なのかもしれません。
そんな状況のインヴィンシブル投資法人ですが、調べてみると大変な過去を乗り越えてきた歴史があるようです。
始まりは東京グロースリート投資法人
インヴィンシブル投資法人の歴史をたどると、初めは2002年に設立された東京グロースリート投資法人に至ります。当初は住宅系REITとして運用されるも2008年のリーマンショックでリファイナンスの課題が浮上。それを解決すべくエルシーピー投資法人2009年に合併。こちらも大元は有料老人ホームやシニア住宅といった高齢者向けの居住施設を中心とした住宅系REITでした。合併の過程で名称をインヴィンシブル投資法人に変更。東京グロースリート投資法人の旧運用会社だったグロースリート・アドバイザーズは解散、エルシーピー投資法人は上場廃止となりました。これがJ-REIT市場では初の合併となりました。
2011年にはフォートレス・インベストメント・グループ(FIG)へのメインスポンサーの交代、2017年にはソフトバンクがFIGを買収してサブスポンサーになるなど経て今の状態になっていきます。
合併はしたものの…
合併をして体制を整えたものの、もともと運営が順調ではなかったREIT同士の合併と行くこともあり、当初は経常赤字を出していました。そこで活路を見出したのがホテル事業。ホテル買収を重ね、ホテル物件の比率を87%超まで高めていました。一時期は分配金利回りが7%を超えるなどREIT全体から見てもかなり高めの利回りを達成、その後運営が評価され利回りが5%くらいまで低下(その分投資口価格は上昇)していたところに今回の減配…このタイミングの悪さはいったい何なのか…
今はつらい時期だけど…
そんなこんなのインヴィンシブル投資法人ですが、負の歴史が多い反面、それをすべて乗り越えて今まで運用してきているREITです。引き続き今後の動きに注目です。
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