バフェットの男気?バークシャー・ハサウェイの繊維事業をすぐにつぶさなかった理由

投資の名言

バフェットの初期の投資法は株主解散価値の高い銘柄への集中投資でした。株主解散価値とは企業の資本総額から負債総額を引いた残りで、会社をつぶした際に株主に帰ってくる資本のことです。

例えば資産が一株当たり3ドル、負債が1ドルある企業が70セントで売買されていると、その企業を買ってすぐにつぶせば3-1=2ドルの解散価値があるので70セントで2ドルのものを買い1ドル30セント儲けられる、というような考え方でした。

ベンジャミン・グレアムのもとで学んだバフェットはこの考えのもと初期の投資を成功させていきます。そして今となっては世界有数の投資事業会社となったバークシャー・ハサウェイ社も、この考えをもとに買収します。ただ、当時のバークシャー・ハサウェイは繊維事業会社でした…

そうなんです。バフェット率いるバークシャー・ハサウェイはもともとは米国の繊維事業会社でした。バフェットが経営を握る中で保険・投資事業が大きくなり、繊維業からは最終的に撤退しています。

例えるなら富士フイルムが化粧品事業を伸ばし、いつの間にかフィルム事業から撤退しているような感じです。笑(ちなみに書きながら調べたところまだ写真用ネガフィルムは購入可能なんですね!富士フイルムの企業努力、すばらしい!)

そんなバークシャー・ハサウェイですが、実はバフェットが経営を握った後もしばらく繊維事業は継続していました。本来であればすぐに撤退して持っている資産を売ってしまったほうが確実に解散価値を得られるはずでしたが…その裏にはバフェットのこのような思いがあったようです。実際に一部の株主から繊維業からは撤退してその資本を別のより良い投資機会に振り分けたほうがいいのではないか、という問いにこう答えます。

Our reasons are several: (1) Our mills in both New Bedford and Manchester are among the largest employers in each town, utilizing a labor force of high average age possessing relatively non-transferable skills. Our workers and unions have exhibited unusual understanding and effort in cooperating with management to achieve a cost structure and product mix which might allow us to maintain a viable operation.

ウォーレン・バフェット、株主への手紙1977

(我々が繊維事業を残す)理由はいくつかあります。1つ目に、ニューベッドフォードとマンチェスターの工場はそれぞれの町の最大の雇用者であり、他へは転職しづらい技術をもった高齢の労働力を雇っています。労働者や組合は操業を維持していくことを可能にするコスト構造と製品構成を達成するために、素晴らしいほどの理解と経営陣と協力する努力をみせています。

(2) Management also has been energetic and straightforward in its approach to our textile problems. In particular, Ken Chace’s efforts after the change in corporate control took place in 1965 generated capital from the textile division needed to finance the acquisition and expansion of our profitable insurance operation.

ウォーレン・バフェット、株主への手紙1977

2つ目は経営陣が繊維業の抱える問題に精力的に、そしてまっすぐに取り組んでいることが挙げられます。特に1965年に経営権が変わってからケン・チェースが行った取り組みの結果、我々が利益を上げている保険事業を取得・拡大するために必要だった資金を繊維事業で生み出してくれました。

(3) With hard work and some imagination regarding manufacturing and marketing configurations, it seems reasonable that at least modest profits in the textile division can be achieved in the future.

ウォーレン・バフェット、株主への手紙1977

3つ目は多大な努力と製造・マーケット構成への創造力があれば、将来最低でもささやかな利益が繊維事業からもたらされることは十分にあり得ます。

このように、企業を経営するということはその会社だけでなく地域社会を守っていくことにもつながる…その職責を果たすためにバフェットはバークシャー・ハサウェイの繊維事業を残したんですね。

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