指数連動ETFをみていると、レバレッジ型、インバース型、ブル、ベアなどが名前についていることがあると思います。それぞれの意味をここで整理します。
そもそも指数連動ETFとは
まず初めの基礎の指数連動ETFの動きです。これはターゲットとなる指数と全く同じ動きを目指すETFです。S&P500指数連動だとこんな感じです。

見えづらいですが、青線が指数そのもの、赤線が年間経費0.04%で連動、緑が年間経費1%で連動です。バンガード社のS&P500指数連動ETF(ティッカーはVOO)ですと経費率0.04%なので、ほぼ指数通りのパフォーマンスができています(その後VOOの経費率は0.03%にさらに改善されました。たぐいまれなる企業努力!)。これが年間経費1%のものになると指数と同様に右肩上がりになってはいますが、パフォーマンスは大きく劣ってしまいますね。年間経費1%といってもそれがかかり続けるとこれだけパフォーマンスに影響が出るということですね。ぜひETFや投資信託を選ぶ際には経費率にも注目してみてください。
日経平均に連動するETFは色々とあるので下に表にしてみます。
コード | ETF名 | 信託報酬 |
1320 | ダイワ上場投信-日経225 | 0.16% |
1321 | 日経225連動型上場投資信託 | 0.22% |
1330 | 上場インデックスファンド225 | 0.225% |
1329 | iシェアーズ・コア 日経225 ETF | 0.105% |
1346 | MAXIS 日経225上場投信 | 0.17% |
1578 | 上場インデックスファンド日経225(ミニ) | 0.225% |
1369 | One ETF 日経225 | 0.155% |
1397 | SMDAM 日経225上場投信 | 0.14% |
2525 | NZAM 上場投信 日経225 | 0.135% |
経費で見るとブラックロック社のiシェアーズ・コアが優秀ですね。海外の会社に経費率で負けてしまったのは少し残念…しかし他のETFも投資信託の年率2%の運用報酬と比べるとかなり抑えられている印象です。
レバレッジ型ETF(ブル型)ETFとは
レバレッジ型のETFとは指数連動ETFにレバレッジ(てこ)の力を加えたETFになります。つまり指数の○○倍の値動きをターゲットにします。これらを商品によってはブル型と呼ぶ場合もあります。牛は角で突き上げるので、すげー勢いで上がりまっせということらしいです。相場の世界でも強気派をbullと言います。
日経平均のレバレッジの利いたETFは以下の通りです。これらは日経平均の2倍の変動率を目指します。
コード | ETF名 | 信託報酬 |
1570 | NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信 | 0.8%以内 |
1579 | 日経平均ブル2倍上場投信 | 0.75%以内 |
1358 | 上場インデックスファンド日経レバレッジ指数 | 0.7075%程度 |
1365 | ダイワ上場投信-日経平均レバレッジ・インデックス | 0.75%以内 |
1458 | 楽天ETF-日経レバレッジ指数連動型 | 0.35%以内 |
こうして並べてみると楽天ETFの信託報酬の低さが目立ちますね。
また、海外ではS&P500指数の3倍の動きをするレバレッジETFもあったりします。ただの指数連動とはちがうのだよ…ってことですね。
インバース型(ベア型)ETFとは
インバース型のETFとは指数と反対の動きを目指すETFです。指数が5%下落したらETFは5%値上がりする感じです。こちらはベア型とも呼ばれます。熊は爪を振り下ろすので、マジで叩き落しまっせということです。弱気派はbearですね。
日経平均のインバース型ETFには以下のようなものがあります。
コード | ETF名 | 信託報酬 |
1571 | NEXT FUNDS 日経平均インバース・インデックス連動型上場投信 | 0.8%以内 |
1580 | 日経平均ベア上場投信 | 0.75%以内 |
1456 | ダイワ上場投信-日経平均インバース・インデックス | 0.75%以内 |
数としてはそんなに多くないですね。そしてダブルインバースは以下の通りです。
コード | ETF名 | 信託報酬 |
1357 | NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信 | 0.8%以内 |
1360 | 日経平均ベア2倍上場投信 | 0.75%以内 |
1366 | ダイワ上場投信-日経平均ダブルインバース・インデックス | 0.75%以内 |
1459 | 楽天ETF-日経ダブルインバース指数連動型 | 0.35%以内 |
やはり楽天のダブルインバース型の信託報酬が低いです。他社の半分以下を目標にしているのではないかくらいの勢い。インバース型は1倍と2倍がありますが、ブル型の1倍は無いのか!?それは普通の指数連動ETFですね。笑
実はレバレッジやダブルインバースは長期保有には向かない…!
最後に注意点ですが、○○倍の動きをするものは長期保有には不向きです。なぜなら「指数の騰落率の○○倍」になるからです。そのあたりは数学ポンコツ系わらびーの理解の領域を超えてくる分野なのですが…ある日10%上昇、翌日9.09%下落した場合、普通に計算したら
100×(1+0.1)×(1-0.0909)=100.001
でほぼ100に戻りますが、変動率を2倍で計算すると
100×(1+0.2)×(1-0.1818)=98.184
…あれ2%近く低いままだぞとなるわけです。(電卓使ってこの計算するのに25分かかった…ちっくしょー。)
そんなわけで日をまたいで保有する場合、○○倍系はズレるリスクがありますのでご注意を。
コメント