『ETFとは何か』:投資信託との違いなどを丁寧に解説

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北村慶著、『ETFとは何か』はETF(上場投資信託)がどのような仕組みで運用されているか、似ている仕組みの投資信託と何が違うのかという点を明確にしてくれる良書でした。

ETFと投資信託の両方に例えば「日経平均に連動する」投資信託を作ることが可能です。ただ、傾向としてETFの方が経費率が低い傾向があります。(ここから先は特定の指数に連動するよう運用する「パッシブ運用」を前提に両者を比較します)

経費率が低いとどういうメリットがあるのか

経費率は直接投資収益に跳ね返ってきます。ざっくり計算してみましょう。日経平均20000円の時に、年間経費率1%の投資信託と0.1%のETFがあるとしましょう。その投資信託を一年もつと20000円×0.01%=200円分が経費として引かれていることになります。日経平均で200円の下落する日が一日追加されるイメージです。結構痛いですよね。しかもこれが毎年かかってきます。

これが0.1%であれば、一年持っても20円分の下落にしかならないので、こちらであればそこまで高くはないでしょう。ちなみに米国のバンガード社のETFは経費率が特に低いことで有名で、年間経費率が低いものだと0.03%‼さらに一桁下です。

なぜ経費率を下げられるのか

詳しいことは本書に任せますが、ここでは簡単に投資信託とETFの違いを見ていきましょう。投資信託もETFも「預かった資金をもとに特定の指数と同じ値動きをするよう、株等を購入する」点では同じですが、その作り方が違います。

先ほどの日経平均連動で言うなら、投資信託では預かった資金で1つ大きな日経平均セットを作る感じです。時とともに流入するお金、出ていくお金があるなかでこの山の形を維持していかなければならないのでいくつか弊害も生じます。ある程度まとまった注文を受けてから調整をすることになるので、株式市場が開いていてもリアルタイムで売買はできませんし、まとまった換金需要に応えるために待機資金も準備しなければならないでしょう。

それに対してETFは小さな日経平均セットをいくつも作るイメージです。そうなると新たな資金が流入してもそれをもとにまた小さな日経平均セットを作るだけで、全体をいじる必要がありません。また、もしETFを持っている人が売却したくなったらその小さなセットをそのまま株式市場で売買することもできるます。なので市場が開いていれば換金は可能です。

このようにETFは投資信託でやっていた業務を「もっと楽な方法でやる」ことによって経費率を下げています。

詳しくはこちらの本が大変読みやすく勉強になりました。おすすめです。

『ETFとは何か』:投資信託との違いなどを丁寧に解説
北村慶著、『ETFとは何か』はETF(上場投資信託)がどのような仕組みで運用されているか、似ている仕組みの投資信託と何が違うのかという点を明確にしてくれる良書でした。ETFと投資信託の両方に例えば「日経平均に連動する」投資信託を作...

株のように取引できるのも魅力的!

上でさらっと書いていますが、ETFは株のように株式市場で売買できるのも実は魅力の一つです。なぜなら経費率以外にかかるのが株式の売買手数料(いくらかは各証券会社と取引額によりますが、100円~数千円くらい?)のみだからです。投資信託の場合購入時と売却時にまた手数料がかかり、購入代金の1~3%がかかります(最近はこの手数料をとらない投資信託も出てきていますが)。また、換金を申し込んでから3営業日くらい待たないと資金が手に入りません。このように取引にかかる時間・コストの面でもETFは魅力的です。

ETFでも高コストなものもあります!

ただ、ETFなら何でもいいというわけではありません。中にはその指数に連動させること自体にコストがかかるために高コストになってしまうETFもあったりします。わらびーもかつて「ETFすげー!」となって、あれこれかまわずETFを買って地獄見たことがあります…笑 原油ETFを買ったところそこからさらに暴落し、しばらく持って原油価格が戻ったところで売りましたが3割目減りしていました。原油価格に連動するように先物取引を使うようですがそのあたりが全く分かっておらず…ちょうどこのころですね。

2015年の投資成績
色々な意味で勉強になった一年。 米国株投資という新たなフィールド主夫としてふらふらしてはいたものの、「このままではあかんなー」とあちこち仕事をくれそうなところに首を突っ込む。その出会いの一つから米国株投資という新たな選択...

「ETFがいい!」のではなく、「経費率が低いのがいい!」わけですから、そのあたりを間違えてはいけません。ETFでも投資信託でも買うときには経費率をしっかり見たり、指数連動の場合はどの程度指数から下振れするか確認してからの購入をおすすめします。

では投資信託の存在意義は

そうなると投資信託の存在意義って何なの?って話になると思うんですけど、これはアクティブ運用(指数に連動させるパッシブ運用ではなく積極的に投資先を選んで投資すること)に活路を見出すしかないと思います。ただ、これも言うは易し行うは難しで、この記事ではアクティブ運用vsパッシブ運用でアクティブ運用の勝率は2割とされています。アクティブ運用の場合、経費率も高めになるので仕方ない部分もありますが…アクティブ運用の投資信託を選ぶときもしっかりと見極めが必要です。逆に2割は投資する価値が十分にあるわけですから、そのファンドの運用方針や過去の成績など参考にしながらいい投資先を見つけられるといいですね。

下記の本の著者も投資信託を運用していますが、本当にいろいろな企業と向き合って投資先を決めているのが分かります。お金との向き合い方を考えるうえでも面白い一冊でした。ただ、投資自体はあくまで内容を吟味の上、自己責任でお願いします。

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アクティブ運用にはアクティブ運用なりの難しさもあると聞くのでこの辺りは一概に「アクティブ悪!」とは言えないんですけどね…

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