自己資本比率を見るときのポイント

四季報の項目

自己資本比率は資本全体のうち、自己資本(返さなくていい部分)がどの程度あるかをみる指標です。ここでは計算の仕方、目安となる値、高い企業と低い企業の特徴などを見ていきましょう。

自己資本÷(自己資本+負債)になります。貸借対照表上の表現でいうなら純資産合計÷負債純資産合計になります。

自己資本比率は4割を超えていると倒産しにくい企業と考えられているようです。また、自己資本比率が極端に低い会社(銀行は構造的に自己資本が低くなるので除く)はいったん置いておいて、自己資本比率の高低はその企業の経営方針にも影響を受けるのではないかと考えます。

基本的に事業が順調だと利益剰余金が伸び、自己資本自体が大きくなります。つまりうまくいっている事業はそもそも自己資本比率が高くなっていく傾向があります。企業はそれを再投資してさらに事業を大きくしていくことができます。

しかし、そこにさらに負債を重ねていく場合、自分の成長力以上の事業の拡大のために投下されているということになります。つまり自分が生み出す利益の範囲で再投資して成長していく場合は自己資本比率は高くなりますが、自己資本の成長以上にドライブをかけて成長させたいという意図が経営者にあると自己資本比率は高まりません(場合によっては大きく下がります)。

大きく自己資本比率が下がった例は例えば武田薬品工業のシャイアー買収などが挙げられます。2019年1月に武田薬品が(社債発行により)シャイアーを買収した結果、2018年3月期に48.6%あった自己資本比率は2019年3月期に37.2%にまで下がります。その結果、格付け会社は武田薬品の信用リスクが上昇したと判断し格付け評価を下げました。

そこまでしてなぜ買収するのか…それは大手製薬会社が買収によって力をつけているので、市場の寡占化の波に飲まれないよう自らも巨大化していかなければならないということが挙げられます。また、新薬開発は必ずしも努力が実るとは限らないため、すでにある程度実績のある企業を買収することで新薬開発を短時間かつ高い確率で成功させられるよう、いわば時間を買っているという側面もあります。

企業も自分の都合だけでなく、時には業界他社の動向などにより本来の成長力以上の力を出していく必要があり、そのような場合は負債を抱えてでもそこにチャレンジしていきます。

以上のように、事業がうまくいっているという前提のもとでは、自己資本比率は堅実に経営したいかドライブをかけたいかという意思のあらわれる場所だと考えています。こうなるとそれぞれに善し悪しがありますし、好みの問題も出てきますので、後は自分の許容できるリスクの範囲で自己資本比率の高い(低い)企業を探していくことになります。その時は先ほどの「4割あれば倒産しにくい」を一つの基準に考えるといいかもしれません。

わらびーは最初のころこそ自己資本比率の高い企業を探して投資していましたが、上記の考えに至ってからは自己資本比率は昔ほど重視しない指標となりました。ただ、素晴らしい事業はいつか自分の生み出す利益を使いきれないほど成長するものです。そうなってくると株主還元も厚くなってくるので、そのような企業を見つけ出すのにはいい観点になるかもしれません。

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