四季報を見る上でぜひ注目してほしいのがPERです。ちなみにPERは日々変動するので各証券会社で日々のPERを出してくれていると思います。PERはその株が割安か、またどのように評価されているかを知る上で極めて重要な指標になります。
PERの算出方法
PERの算出方法が分かればなぜ割安さの指標になるかや日々動くのかも見えてきます。PERはPrice Earning Ratioの省略形で、株価を一株利益で割った値です。例えば一株益100円の株が1500円で取引されていたらそれは1500円÷100円=PER15倍となります。その株が毎年同じ利益を出したとしたら何年で投資を回収できるかということを表しています。
ここで勘が鋭い人はPERがなぜ日々変動するか分かったでしょう。なぜなら株価が日々変動するからです。なのでそれに合わせてPERも変動します。
同じ理屈でなぜ会社が業績を上方修正すると株価も上がるかも説明できます。PER15倍の会社の一株益が100円から150円に上方修正されると150円×15倍→株価2250円になります。まー、現実にはこんなに簡単にはいかないんですが…理屈としてはそんな感じです。
PERはおおよその相場がある
ちなみにこのPER、業種や国によっても平均が違います。米国だと16~18倍、日本だと13~15倍が平均です。日本がバブルだった1988は80倍超で取引されているときもあったようです。これは一株益が今後どのくらい成長すると思われているかで倍率が変わってきます。日本は少子高齢化や地政学リスクなどで今後も成長するか微妙と思われているのでしょうか…逆にアメリカは世界に販売網を持つ企業も多いですし、国の人口もまだ伸びています。そのあたりが評価されているのかもしれませんね。
わらびーも成長しそうな企業だとPER20倍くらいまでなら許容範囲かなと思います。逆にIPO銘柄なんかを見ているとPER70倍なんて銘柄も出てきます。そこはちょっと手が出ないですね…
低ければ安全かというとそうでもなく、以前に9倍程度の株を買ったところ業績の下方修正にあい、さらにPERも下がり7倍くらいまで行ったことがあります。PERが低いということは一株益が下がると予想されているからともいえます。
また、前年度に特別利益が大きく出ている場合もPERは低く出ます。その特別利益が次の年には入らないことを考えると、その分は差っ引いてPERを再計算することも必要になります。

似ているPBRは?
PBRはPrice Booking Ratioで株価を一株当たり純資産で割ったものです。純資産は会社の持ち分そのものですね。詳しくは下の記事にあります。

こちらは1倍を切ると割安なんて言われますが、わらびーはPBR自体をあまり参考にしていません。というのも、最近は会社の成長と純資産の関係が必ずしも一致しないと考えているからです。
昔は大きな工場を持っていることで生産量が増え、売上高増に結びついていたのでPBRも注目に値する指標だったのかもしれません。しかし様々なものがデジタル化し、設備よりもアイディアで利益が出る現代では純資産が少なくても大きな利益を生むことができるようになってきています。
PERがどのくらいなら買い?
ここからは個人的には感覚ですが、その企業に成長を求めないならPER10倍くらいから買ってしまいます。逆に毎年ガシガシ成長していくようならPER20倍でも買います。ちなみにウォーレン・バフェットがコカ・コーラ株を買ったときのPERも20倍くらいだったとか。バフェットというと割安株投資のイメージが強いですが、高成長が期待できる場合はPER20倍くらいでも買っています。今のバフェットは割安株なら何でもというわけでもなく、成長の可能性とそれに対するバリュエーションで企業を見ているようですね。
PER20倍以上だとさすがに割高かなと思います。しかしこれも個人的な感覚に過ぎず、もっと高いPERも許容されて恐ろしいスピードで成長していく企業があることも確かです。特にIPO銘柄は基本的にはPER30-40倍は当たり前、中には100倍超えも出てくるくらいです。そういう意味ではわらびーはIPO銘柄はなかなか買えない(でも株価が大きく上がることもある)ですね…
PERは年によっても割高・割安の基準は微妙に違ってきます。リーマンショック後は一時的にS&P500指数のPERが100倍を超えたことがあります(多くの企業が将来の業績に悲観的になったため)。
そうなると結局PERもコレだ!という厳密な値は出せなくなってきますが…様々な企業を見ていく中で自分なりの買える株価水準を見つけていきましょう。
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