売上総利益は粗利益の計算に使う
売上総利益とは売上高から原価を引いた残りになります。材料の原価に対してどれだけ付加価値を載せているかを示す部分です。売上総利益÷売上高=粗利益率となります。売上高のうち、自分のところでどの程度の付加価値をつけたかが分かります。粗利益率が高い企業はそれだけ高い価値を付加していると認められている、サービスを必要とされている企業ということになります。
シェフに話を置き換えてみましょう。シェフAは400円の材料費を使って1000円のパスタを提供しています。そうすると売上総利益は1000円-400円=600円、粗利益は600円÷1000円=60%となります。シェフBは同じ材料400円を使って1200円のパスタを提供しています。そうすると売上総利益は1200円-400円=800円、粗利益は800÷1200=66.7%となります。同じ材料でもシェフBの方が売上高が高いということはそれだけ人気(サービスが認められている)ということで、その分粗利益も高くなっています。
投資対象とする企業の粗利益率は
では投資対象とする企業の粗利益率はどのくらいが良いのでしょうか。業種によって粗利益率も変わってきますが、基準は40%と考えています。それだけで一部業種への投資をあきらめざるを得ない数値ではありますが、わらびーはこの基準を超えないと投資対象から外すようにしています。どうしても粗利益率の低い業種に属する企業を買いたい場合は、その業種に属する他の企業と比べて粗利益率が高いかどうかを判断基準にします。「どんなにイタリア料理の利益率がいいからって、オレは和食の料亭がやりたいんじゃ!」という方は他の和食料亭と比べて利益率で超えられるかが競争力という意味では一つの指標になるわけです。
もちろんこの基準を下回りながら株価が大きく伸びた企業もあります。2013年頃でしたらシマノ、2015年あたりのワークマンなど、投資しようか迷った挙句粗利益率を考えて見送りました。結果大いなる投資機会を逃しましたが、こればかりは仕方ないですね。一度指標を作ってもこのような見逃し、または選別漏れなど出てくると思うので、その場合はまた自分の基準を見直すなど日々選球眼を鍛えていきたいですね。
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